( 生駒 ) 《 強い 者 が 生き残り 弱い 者 が 死ぬ 》
《 それ が 世界 の ことわり だ と あいつ は 言った 》
《 俺 は それ を 認める わけ に は いか ない 》
《 あいつ を 除く べき だ 》
《 待って ろ 美馬 》
貴 様 ! 人 か カバネ か ! ?
どちら でも ない ! 俺 は カバ ネリ だ !
♪~
≪ ( 扉 の 開く 音 ) ( 男性 ) あっ …。
( 恙 衆 ) 朱 の 腕章 は 奥 の 車両 へ 。
( 鯖 ) 裏切り者 。 N ( 巣 刈 ) 悪い が
長い もの に は おとなしく 巻か れる 主義 で ね 。
お っ … あっ 侑 那 さん 。 N これ 生駒 の 野郎 に 。
( 女性 ) あいつ すっかり あっ ち 側 の 人間 ね 。
( 女性 ) 見損なった わ 。
( 鰍 ) 本当 に そう な の か な ? ( 侑 那 ) そう なん じゃ ない 。
≪ ( 侑 那 ) 生駒 。
( 巣 刈 ) ほれ 。
待て よ 逞 生 。 N お前 は あ っち だ ろ ?
( 逞 生 ) ハァ …。 チッ 。
( 太助 ) すま ん が 妻 は 勘弁 願え ませ ん か ?
( 太助 ) 代わり に 私 が 2 人 分 出し ます から 。
( 恙 衆 ) … だ そうです が 。 N ( 瓜生 ) 俺 は 別に 構わ ねえ よ 。
( ワラビ ) いや それでは 取引 と して 面白み が ない 。
そ … それ なら 3 人 。 N いや 4 人 分 でも !
( ワラビ ) よろしい 。 取引 成立 だ 。
ああ … ありがとう ござ いま …。
( 太助 の 妻 ) ああ …。 N ( 太助 の 叫び声 )
( 瓜生 ) チッ …。
( ワラビ ) 血 を とれ 。 N ( 恙 衆 ) はっ 。
ワラビ 。 N 弱い 者 いじめ も 退屈 だ ぜ 。
( ワラビ ) フンッ 。 N ( 逞 生 ) お前 何て こと す ん だ よ !
( 逞 生 ) くそ っ … 放せ !
( ワラビ ) 君 の 目方 なら 30 人 分 は 軽い かな 。
取引 する か ね ?
じゃあ これ 。
いつ やる ん だ よ 生駒 。
俺 は もう 我慢 でき ねえ ぞ 。
( 生駒 ) ちょっと 邪魔 だ よ 。 N ( 逞 生 ) うん ?
おい 生駒 ! あした の 晩 だ 。
やつ ら が 血 を とり に 来 た とき に やる 。
( 美馬 ) で は 返事 を 聞か せ て もら お う か 。
( 美馬 ) 老中 牧野 を 叔父 に 持つ あなた なら 可能 な はず だ 。
( 菖蒲 ) 金剛 郭 の 門 を 開か せ あなた を お 父 上 の 前 に 座ら せる 。
( 菖蒲 ) それ で 私 の 領 民 の 命 が 保証 さ れる と いう の なら
協力 せ ざる を 得 ませ ん 。
( 美馬 ) 賢明 な 判断 だ 。
しかし お 父上 に お 会い し て どう なさる お つもり です か ?
( 美馬 ) 10 年 前 の こと だ 。
幕府 は カバネ 討伐 の ため 40 万 の 軍勢 を 九州 に 派兵 し た 。
( 菖蒲 ) 知って い ます 。 あなた は 弱冠 12 歳 に し て 総 大将 だった 。
( 美馬 ) うん 。
九州 に 上陸 し た 当初 われわれ は 優位 に 立って い た 。
いく つ も の 拠点 を 築き カバネ の 封じ込め に 成功 し た 。
しかし 突然 後方 から の 補給 が 途絶え
われわれ は カバネ の 中 に 孤立 し 壊滅 の 憂き目 に あった 。
その 全て を 仕組 ん だ の は 父 だ 。
私 は この 手 で 父 を 裁か ね ば なら ない 。
( 吉備 土 ) 克 城 の 機関 室 を 占拠 する ?
機関 室 は 駿 城 の 心臓 です 。
手 に 入れ て しまえ ば いくら 美馬 でも 打つ手 は ない 。
菖蒲 さま と 無名 の 解放 に も 応じる でしょ う 。
( 逞 生 ) でも 機関 室 は 先頭 車両 に ある ん だ ぞ 。
どう やって そこ まで 行く つもり だ ?
やつ ら の 中 に 一 人 鍵 を 持って る やつ が いる 。
おそらく とった 血 を
先頭 車両 の カバネ まで 運ぶ ため だ ろ う 。
そい つ は 一 日 一 回 夜 に だけ 鍵 束 を 提げ て くる 。
その 鍵 を 奪う 。 N おお …。
( 吉備 土 ) やる しか な さ そう だ な 。
( 吉備 土 ) このまま で は 皆 の 体力 も 持た ない 。
美馬 は 金剛 郭 も 破壊 する つもり です 。
海津 大橋 を 渡って 明日 に は 到着 する でしょ う 。
菖蒲 さま の こと も 心配 だ 。
( 吉備 土 ) 万が一 の こと が あれ ば 来栖 が 戻って き た とき に
顔 向け でき ない し な 。 N ( 雅 客 ) そうだ な 。
( 吉備 土 ) 武器 に なり そう な もの を 集め て おく 。
行く ぞ 。 N ( 武士 たち ) はい 。
無名 ちゃん 戻って くる かな 。 N 関係ない さ 。
来 た がら なく て も 連れ戻す 。 N そう 決め た ん だ 。
や っぱ 似 て ん の ? 初音 ちゃん と 無名 ちゃん って 。
えっ ? 妹 と ! ? いや … 似 て ない よ !
やめ て よ あんな 乱暴 者 と 。 N ああ …。
背 格好 ぐらい かな ? 似 てる の は 。 N うん 。
ああ … そう 。
ただ … 誰 か に 言わ れ てる 気 が する ん だ よ な 。
誰 か に ? うん 。
「 お前 今度 こそ 助けろ よ 」 N 「 逃げる な よ 」 って さ 。
誰 に かな ? 神様 かな ?
いや お前 自身 だ ろ 。
そ っか … そう かも 。
最近 ようやく お前 の 考え 方 が 分かる よう に なった 。
えっ ? いまさら ? じゃあ お前 俺 の こと 分か ん の ?
いや … N でも お前 は 分かった ん だ ろ ?
お前 は 単純 だ から な 。
( 2 人 ) アハ ハハ ! ( 逞 生 ) 痛 え だ ろ ! 何 す ん だ よ !
悪い 。 N ( 2 人 ) ハハハ …。
( 恙 衆 ) 荘 衛 さま 不在 の まま
計画 を 進める の か ? ( 恙 衆 ) 致し方 ある まい 。
≪ ( 扉 の 開く 音 ) ( 一同 ) あっ …。
( 無名 ) とぼけ ない で よ !
( 無名 ) ホロビ は あんた たち が 融合 群 体 に し た ん でしょ ! ?
どうして …。 N ( 恙 衆 ) 存じ 上げ ませ ん 。
太助 じゃ ない の !
ど … どう し た の それ ! ?
ああ …。 N ( 恙 衆 ) 動く な !
( 恙 衆 ) よし 。 N あと は 綿 紗 を 当て て おけ 。
≪ ( 扉 の 開く 音 ) ≪ ( 無名 ) 兄 さま !
甲 鉄 城 の 人 たち から 血 を とって る って
どうして そんな こと する の ! ? 兄 さま !
( 美馬 ) カバ ネ と は いったい 何 な の だ ろ う な ? 無名 。
( 美馬 ) ある 日 突然 現れ この世 を 一変 さ せ て しまった 。
( 無名 ) カバネ は 敵 だ よ 。 N 倒す べき …。
( 美馬 ) だが 彼ら の おかげ で 真に 討つ べき 敵 が 明らか に なった 。
兄 さま は 会い に 行く ん じゃ ない の ? 金剛 郭 の お 父さん に 。
あたし … 兄 さま が 分から な …。 N ハッ !
そう か 。 N 私 を 恐れる か 無名 。
( サハリ ) 若 さま すぐ で なく て も よい です が ご 確認 を 。
構わ ない 。
無名 。
お前 は 甲 鉄 城 の 人 たち が 好き な ん だ な 。
きっと 良い 旅だった ん だ ろ う 。 N ( 無名 ) うん 。
分かった 。 N 彼ら が 動か ぬ 限り
乱暴 を せ ぬ よ う 触れ を 出し て おこ う 。
( 無名 ) ありがとう 兄 さま 。
( サハリ ) 修理 が 必要 です か ?
( 美馬 ) 本格 的 な や つが な 。
( 吉備 土 ) あと 確認 す べき こと は ? 3 番 は 逞 生 に 頼む と して
あと 補助 バルブ は …。 N ( 鈴木 ) 私 が サポート し ま しょ う 。
すみません 。
( 鍋 を たたく 音 )
それ じゃあ お 願い し ます 。 N ( 一同 ) よし 。 OK 。
生駒 これ 。
≪ ( 扉 の 開く 音 )
( 狩 方 衆 ) 並べ 。
( 恙 衆 ) 今日 は 紺 の 腕章 だ 奥 に 行け 。
そんなに 血 が 欲しい なら 自分 の 血 を とったら どう だ !
( 狩 方 衆 ) 何 を 言う か 貴 様 !
( 恙 衆 ) ハッ ! カバ ネリ ! 逞 生 ! やれ !
全員 伏せろ !
今 だ ! ( 一同 ) う お ー ! !
( 恙 衆 ) 何 だ ! ? う っ !
( 巣 刈 ) う わ っ !
おい ! やめろ バカ ! 話 を 聞け !
問答 無用 ! 待て 逞 生 !
( 逞 生 ) 生駒 ! あれ は 芝居 だ !
巣 刈 は 克 城 の 情報 を 流し て くれ て たん だ よ !
えっ ! ?
竹筒 で 手紙 の やりとり を し て た ん だ 。
( 逞 生 ) 嘘 …。 N ( 巣 刈 ) 痛 っ !
何 だ よ 俺 たち を だまし て た の か よ 。
そういう わけ じゃ ない けど 。 N ≪ ぐ わ ぁ !
( ワラビ ) こいつ は 裏切り者 だ ろ う ? 撃て ば いい 。
( ワラビ ) お 優しい ね 。 N ( 男性 ) ぐ わ っ !
吉備 土 さん ! ここ は 俺 が ! ( ワラビ ) 貴 様 …。
男 の カバ ネリ は 希少 と いう から 生かし て おい た …。
来栖 と 無名 の 方 が 速い !
( ワラビ ) 死ね 化け物 が ! う っ !
こいつ を 化け物 呼ばわり す ん じゃ ねえ よ !
あっ …。 N ( 逞 生 ) 何 だ よ その 顔 。
俺 が 活躍 す ん の が そんなに おかしい か ?
まあ な …。
♪~
( 狩 方 衆 ) な っ ! ? ( 狩 方 衆 ) 貴 様 ら どう やって !
( 一同 ) う お ー ! !
( 美馬 ) うん 分かった 。 N 対処 する 。
や れる な ? 無名 。
( 無名 ) でも … 兄 さま …。
( 美馬 ) でき ぬ と 言う なら
私 は お前 へ の 投薬 を やめる よう に 命じ なけ れ ば なら ない 。
呪い は さらに お前 を むしばむ だ ろ う な 。
私 は そんな 姿 を 見 たく ない 。 N 強く なれ 無名 。
母 の よう に なり たく は ない だ ろ う ?
( 無名 ) ごめん … 兄 さま 。 N でき ない 。
あたし は 甲 鉄 城 の みんな と 一緒 に い たい !
いつか カバネ が い なく なった 世界 で
お 米 を いっぱい 食べ たい の !
だから … ごめん ね 兄 さま 。
そう か 。 N ( 無名 ) あっ …。
何 ! ? 放し て よ !
ハッ ! くっ …。 N ( 恙 衆 ) 捕らえろ !
( 恙 衆 ) くそ っ !
( 恙 衆 ) おとなしく … ぐ は っ !
うりゃ ! ( 無名 ) う っ ! ? くっ … ああ …。
くっ … あっ … ああ !
血 の 投与 量 を 減らし て おい て 正解 だった 。
麻 沸 を 打て 。 N ( 恙 衆 ) はっ !
( 無名 ) や だ ! 放し て よ ! みんな が 来 てる ん でしょ ?
あたし も ここ から 出る ! 生駒 ! !
あっ …。
( 美馬 ) これ で 私 の 声 が よく 聞こえる よう に なる 。
う お ー ! !
先 に 行け 生駒 ! 切り が ない ! 分かり まし た !
とっとと 終わら せ て 飯 に しよ う ぜ !
無名 ちゃん と 菖蒲 さま も 一緒 に さ !
ああ そう だ な !
あれ ? 何で ? 何 やって ん だ 生駒 !
早く しね えと や つら が 来る ぞ ! く っそ !
駄目 か … 外 から 行く ぞ !
どう し た ! ? 開か ない …。
何 だって ! ?
( 2 人 ) あっ …。
美馬 ! ? ( 美馬 ) フッ 。
生駒 。 N これ を 探し て い た ん じゃ ない か ?
あっ ! ( 美馬 ) 明日 に は 海津 大橋 を 渡る 。
反乱 を 起こす なら この とき だ ろ う と 踏 ん で
最後 の 1 本 を 取り換え て おい た 。
鍵 束 に 気付 い た まで は 上出来 だった 。
しかし 詰め が 甘かった な 。 N 不 合格 だ 。 生駒 。
ハッ !
あっ …。 ああ !
生駒 … 大丈夫 だった か ?
逞 生 ! ( 逞 生 ) 今度 は でき た …。
お前 が カバ ネリ に なって 撃た れ た 日 も さ …
俺 は どうして こう し なかった の か って
すごく 後悔 し た ん だ よ 。 N やっと … でき た …。
ああ … あ あー ! !
( 泣き声 )
感想 を 言って みろ 。
友 を 失った 感想 を 言え 生駒 。 N それ しだい で は 殺さ ず 仲間 に する 。
何 な ん だ よ … お前 。
何 な ん だ よ … N どうして こんな こと する ん だ よ !
よろしい です か ? ( 美馬 ) ああ 。
( サハリ ) フンッ ! ぐ わ っ !
う お っ … う っ !
♪~
よくも … 逞 生 を … よくも !
呼 ん で こい 。
う わ あ ああ ああ !
♪~
ああ ああ … !
来 た か 無名 。
そい つ を 殺せ 。
無名 …。
お前 … 何 さ れ た ? う っ ! ?
よく やった 。 N それ で こそ 私 の 無名 だ 。
♪~