圧力 を 下げる な ! 止まったら 終わり だ ぞ !
( 運転 士 ) はい 。 車 内 に 警告 を 。
( 侑 那 ) はい 。
≪ ( 侑 那 ) 廃 駅 を 通過 し ます 。 N おのおの 衝撃 に 備え て ください 。
≪ ( 衝撃 音 )
あっ 。
あっ ! あー っ ! うわ ー っ !
( 武士 ) くそ っ !
( 銃声 )
( 武士 ) 来る な ! 来る な ー !
( 叫び声 )
( 生駒 ) < 生きる ため に 必要 な もの
それ は 隠れ て 身 を 守る 道具 じゃ ない >
< カバネ に ひるま ず 戦う 力 だ >
( 武士 ) ぐ あっ !
( 武士 ) 新 五 !
う っ !
う う っ !
( 武士 ) 大丈夫 か ! ?
ああ … すま ん 。
お前 …。
< 20 年 前 日 ノ 本 の 民 は
カバネ を 恐れ て 駅 の 中 に 閉じこもった >
< 仲間 も 誇り も 捨て て 逃げ出し た ん だ >
( 武士 ) 使え !
使え ! 自決 袋 を !
( 武士 ) 早く しろ !
覚悟 を 見せろ ! ( 武士 ) 醜態 を さらす な !
何 を し て いる ! ( 武士 ) 引け ! 引け !
《 誰 か を 切り捨て て
それ で 生き延び て 胸 を 張れ る の か 》
《 失う もの は 仲間 の 命 だけ じゃ ない 》
《 だから 俺 は … 》
( 武士 ) 母さん …。
( 生駒 ) あっ ! ?
くそ っ !
《 俺 は カバネ を 倒せ る 力 が 欲しい 》
《 あと もう 一 歩 な のに 》
( 四 文 ) 目 が 覚め た か ?
( 四 文 ) 武士 が しの い だ 。 N 眠って い て いい 。 今 は 。
( 無名 ) また … 駅 が の まれ た の ?
( 男性 ) おい 聞い た か 。 N 補給 が 遅れ てる って 。
( 男性 ) 前線 は また 下がったら しい な 。
ここ も いつまで 持つ か 。
( 男性 ) やめろ よ そういう こと 言う の 。
武士 が 聞い たら どう する 。
よう 英雄 ! 遅刻 か よ 。
( 男性 ) 強度 計算 に 気 を 付けろ よ 。 N 3 号 板 は 粘り が …。
( 逞 生 ) あっ おい 。 生駒 。
( 逞 生 ) どう だった ? 昨日 。
駄目 だった 。 N 圧力 は 十分 な はず な ん だ けど 。
どうして も 普通 の 鉛 弾 じゃ 駄目 な の ?
それ じゃ 武士 の 蒸気 筒 と 同じ だ 。
カバネ の 心臓 被膜 に はじか れ ち まう 。
だから 噴 流 弾 だ 。
貫通 力 で 差 を つけ ない と 。
( 逞 生 ) それ で 武士 の 代わり に カバ ネ と 戦う って ?
正気 じゃ ねえ よ な 。
あっ 炸薬 は 増やし た ?
ん ?
ほら 前回 の 調整 で 空洞 部 分 を 増やし た から 。
あっ 。 それ だ よ 逞 生 。
どうして 俺 手順 を 飛ばし ちゃ った ん だ ?
( 逞 生 ) どこ 行く ん だ よ 。 N 家 に 戻って やり 直す 。
( 逞 生 ) おいおい 。 N 仕事 終わって から に …。
( 男性 ) おい 菖蒲 さま だ 。 N ( 男性 ) 四方 川 家 の ?
( 菖蒲 ) 何事 も 自分 の 目 で 確かめる こと が …。
( 渡 貫 ) これ は 菖蒲 さま 。 N いったい 何 の ご用 で ?
父 の 短 筒 です 。
調子 が 良く ない ので 見 て もらえ ない か と 。
( 渡 貫 ) ああ それ は 大 儀 な こと で 。 N ( 逞 生 ) 菖蒲 さま …。
まっ 美人 で は ある よ ねぇ 。
武士 の 姫 さま だ ぞ 。 N ( 渡 貫 ) 生駒 !
( 渡 貫 ) こっち に 来 て 菖蒲 さま の ご用 を しろ !
チッ 。
出番 だ ぞ 英雄 。
お 預かり し ます 。
英雄 に なり たい の です か ?
俺 は 逃げる の が 嫌 な だけ です 。
えっ ?
菖蒲 さま 。 N これ を 何 に 向ける ん です か ?
えっ ?
( 武士 ) 西 門 が 開く ぞ ! 甲 鉄 城 の 到着 だ !
( ざわめき )
甲 鉄 城 が 来る の は 明日 の はず 。
( 来栖 ) 参り ま しょ う 。
( 男性 ) 甲 鉄 城 だって ? ( 男性 ) 今夜 は 扶桑 城 も 来る の に 。
( 男性 ) 1 日 に 駿 城 が 2 城 って 。
( 菖蒲 ) お 父 さま 甲 鉄 城 が 来る の は 明日 の はず で は …。
( 堅 将 ) 速 谷 駅 が つぶれ た 。
停車 駅 が 減れ ば 早く 着く 道理 だ 。
( 菖蒲 ) そんな …。
( 堅 将 ) 検閲 匣 を 付けろ !
( 逞 生 ) いる かな かま れ た やつ 。
それ を これ から 調べる ん だ ろ 。
カバネ に 感染 し て ない か かみ 痕 を 探し て 見分ける 。
見つけりゃ ろう屋 に 閉じ込める 。
いつも の お上 の やり 方 だ ろ 。
そりゃ そう する だ ろ う 。 N 潜伏 期 かも しれ ない ん だ 。
( 渡 貫 ) よし 整備 を 始めろ !
おい 見ろ よ 。 N ( 逞 生 ) ん ?
頸 動脈 だけ が 太く なって る 。
やっぱり ここ を ウイルス が 通る ん だ 。
( 逞 生 ) おい 。 N ここ まで 状態 の いい やつ は 珍しい 。
( 逞 生 ) ご 法 度 破り だ ぞ 。
これ は たたり な ん か じゃ ない って 俺 たち は 知って る だ ろ 。
( 鈴 の 音 )
( 逞 生 ) ん ? 何 だ ? 偉い さん の 子 か ?
( 逞 生 ) どう し た ? あっ いや …。
( 武士 ) おい そこ の 子供 !
( 武士 ) 出口 は 反対 側 だ ! 子供 でも 検閲 を 受け て もらう 。
ひ いっ !
( 無名 ) 人 を はかる に 外見 を もって なす は 愚行 で ある 。
って 兄 さま が 言って た よ ひげ の おじさん 。
( 武士 ) な っ 何 だ と ! ? ( 堅 将 ) よい そちら は 私 の 客人 だ 。
( 武士 ) はっ お 館 さま 。
( 無名 ) ここ で 一 番 偉い 人 ?
四方 川 家 の 当主 を 務める 堅 将 と 申し ます 。
( 四 文 ) 四方 川 殿 世話 に なり ます 。
( 堅 将 ) 四 文 さま です ね 。 N お 話 は 先 の 書状 にて 。
まずは われら の 屋敷 に おい で ください 。
( 男性 ) 検閲 を 受け ない の か ? ( 男性 ) どういう こと だ ?
誰 な ん だ ? さあ …。
≪ ( 武士 ) う わ あ あっ !
( 武士 ) カバネ だ ! ( 武士 ) 傷 が ある ぞ !
逃がす な ! ( 逞 生 ) カバネ ! ?
( 武士 ) 止まれ !
( 武士 ) 違う ! 俺 は カバネ じゃ ない !
止まら ん か ! ( 武士 ) う あっ ! あ あっ !
( 武士 ) 殺せ ! ( 武士 ) 囲 ん で 殺せ !
( 武士 ) あ ああ ! 本当 に 違う ん だ !
助け て くれ ー ! やめろ ー !
は あ ?
( 武士 ) 何 だ 貴 様 は !
カバネ じゃ ない って 言って る !
信じ られる か !
やめろ ! 臆病 者 !
カバネ の 疑い が ある 者 も
3 日間 は 閉じ込め て 真偽 を 判断 する 。
お前 ら が つくった 決まり だ ろ う !
( 武士 ) 黙れ ! う っ !
( 武士 ) 蒸気 鍛冶 風情 が 口 を 出す こと で は ない !
銃 を 向ける 相手 を 間違って る って 言って る ん だ 。
お 父 さま …。
う っ !
( 女性 ) キャー !
( 武士 ) カバネ の ! ?
( 女性 ) 気持ち 悪い ! ( 女性 ) 何で 持って る の ?
こ … 答えろ ! なぜ そんな もの を 持って いる ! ?
( 武士 ) 逃げる ぞ !
やめろ ー !
( 男性 ) 死 ん だ … って こと は カバネ じゃ なかった の か …。
は … 恥ずかしく ない の か ? 何もかも 怖 がって 。
正気 を 失って 。
大層 な こと を 言う 。
武士 に 守ら れ た 安全 な 場所 から なら
何と でも 言え る な 。
違う ! 俺 だって 戦え ます !
来栖 ! ( 来栖 ) はっ !
もう すぐ ツラヌキ 筒 が …。
( せき )
( 堅 将 ) この 者 を ろう に 入れろ 。 N カバネ の 疑い が ある 。
お 父 さま !
行く ぞ 。
( 堅 将 ) 菖蒲 。 N 秩序 を 守る の も 武士 の 務め だ 。
秩序 … です か 。
( 堅 将 ) 左 様 です か 。 N お 二 人 は 金剛 郭 に 。
では 将軍 さま と は ?
( 四 文 ) いえ まだ 。 だ から こそ われわれ 2 人 だけ で 行く の です 。
水無月 か … もう すぐ だ ね 兄 さま 。
チッ 。
≪ ( 無名 ) やっぱり ! 死体 拾い の 人 だ 。
君 は …。 N ( 無名 ) 無名 !
ムメイ ? それ 名前 な の か ?
( 無名 ) ウフフ … いい でしょ 。
兄 さま が 付け て くれ た ん だ 。
( 無名 ) ねえ さっき の 。
あの 人 が カバネ じゃ ない って 分かって た の ?
いや 。 でも ほっとけ ない だ ろ 。
普通 は ほっとく けど ね ~。
なら その 普通 が 間違って る 。
アハ ハハ 。 あんた 面白い ね 。
何 が ?
( 無名 ) だって カバネ は 普通 に 怖い でしょ 。
人 って 怖がり で 臆病 な ん だ から さ 。 N 仕方ない よ 。
仕方なく なんか ない 。 N ん ?
怖 がって 人 を 切り捨てる の が 仕方ない なんて
俺 に は とうてい 思え ない よ 。
恐怖 で 人 と して の 品性 まで 失っちゃ いけ ない 。
( 逞 生 ) バカ な ん だ よ 生駒 は 。 N すぐ 熱く なって 。
正義 漢 ぶって さ 。
( 鰍 ) でも 私 に は やろう と 思って も でき ない な 。
武士 の 人 に 言い返す なんて 。
それ が バカ だって 言って ん だ !
あ ち っ !
≪ ( 汽笛 )
来 た ぞ ! 扶桑 城 だ !
( 男性 ) 今度 は 時間 どおり だった な 。
おい 速 過ぎる ぞ ! ( 男性 ) 速度 を 落とせ !
まずい ぞ ! 橋 を 上げろ !
早く しろ !
間に合わ ない 。
♪~
何 だ ! ?
( 人々 の 悲鳴 ) ( 男性 ) カバネ だ ~ !
どけ ! ( 銃声 )
( 悲鳴 )
♪~
( 男性 ) カバネ だ !
( 鐘 の 音 )
( 男性 ) これ は …。 N ( 男性 ) スズナリ ! ?
( 男性 ) まさか ! 来 た の か ! カバネ が !
痛 っ !
( 無名 ) 行か なきゃ 。
《 ツラヌキ 筒 だ 今 なら あれ を ! 》
早く し て よ ! ( 娘 ) これ も 持って く の 。
( 母 ) ギャア アア !
( 娘 ) あー っ あっ あっ …。
ギャア アア !
( 四 文 ) 無名 。
西 門 は 突破 さ れ た 。 N ここ は もう 駄目 だ 。
でも …。
甲 鉄 城 へ 行く 。 来る ん だ 。
( 菖蒲 ) お 父 さま どちら に ?
( 堅 将 ) 甲 鉄 城 だ 。
まさか この 駅 を 見捨てる の です か ?
甲 鉄 城 を 確保 し たら 合図 を 撃つ 。
そし たら お前 も 来い 。
( 女性 ) キャー !
≪ ( カバネ たち の うめき声 )
カバネ は 血 に 反応 する 。
う っ ! あ あっ …。
ああ … くそ っ ! 痛 え 。
( 武士 ) 止まれ ! そこ で 服 を 脱げ !
ふざけ ん な ! カバネ が 来 てる ん だ よ !
だから 体 に 傷 が ない と 証明 しろ !
どう なる の か な ? ( 逞 生 ) 生駒 は ! ?
かかった !
《 今度 は 失敗 し ない 。 N 炸薬 の 量 も 増やし た 》
♪~
( カバネ の 叫び声 ) う っ !
う ああ ああ !
♪~
やった ぞ ! 俺 の ツラヌキ 筒 が 心臓 を ぶち 抜 い た !
俺 の ~ ! 俺 が ~ !
ハハ …。
ん ?
う あ ~ 。
見え た 。 甲 鉄 城 。
( 四 文 ) 無名 殿 。 N ここ から は お 一 人 で 。
( 四 文 ) 金剛 郭 に 行き 若 さま の 指示 を お 待ち ください 。
後 は 頼み まし た 。
うん 。 輪廻 の 果報 が あら ん こと を 。
うん 。
♪~
《 たたり な ん か じゃ ない 》
《 ウイルス が 脳 に 届 か なけ れ ば 大丈夫 な ん だ 》
あっ ! う う っ …。
う っ …。
《 5 年 … 5 年 だ ぞ 》
《 何の ため に 俺 は … N カバ ネ と 戦え る よう に って … 》
♪~
《 俺 は … あの とき と は 違う ん だ 》
《 俺 は … もう 二 度 と 逃げ ない ! 》
♪~
( せき )
( 咆哮 )
《 今度 こそ … 俺 は … 》
《 俺 の 誇れ る 俺 に なる ん だ ! 》
グア !
( 無名 ) はっ !
ん ? ん っ ん っ …。
う ~ ん う ~ ん …。
♪~